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妙慶だより 

川村妙慶先生から、お便りが届きました。

やる気はあるのに発揮できないのです

寺院イメージ

初夏を感じさせてくれる気候になりました。正福寺HP読者の皆様、お元気ですか?僧侶の川村妙慶です。
いよいよ7月20日・21日と2回目になりました、法話会と相談会+女子会をさせていただきます。といっても老若男女すべての皆様にお越しくださるのが目的です。
先日、正福寺HP読者さまからこんなメールをいただきました。

「やる気はあるのに発揮できないのです。」と。

「気持ちはあるのだけど、自分らしさが発揮できない。」「やる気があるのですが、すべてが空振りに終わってしまう」と嘆く方も多いようです。つまりジレンマの中で苦しむということです。

dilemma(ジレンマ)の意味は、「板ばさみで苦しむ、葛藤」です。「私はこのやり方で仕事を進めて生きたい。」と意気込みます。しかし上司は別のやり方を要求。内心では意に反していると思いながら、上司に従わざるをえない。そうなると、自分の思いや行動を押さえ精神的負担に悩む方は多いものです。
誰だって批判されると「心に余裕がなくなります」。

さて、「やまあらし」という動物をご存じでしょうか。背中から腰のあたりにとげのような硬い毛を持っている生き物です。普段、針は閉じているのですが、身の危険を感じた時、反射的に針は自分の身を守るために、立ち現れてきます。そうして体を振って音を出したり、ときには敵を刺したりするのです。
そんなヤマアラシを見て、ドイツのショーペンハウアーという哲学者は「ヤマアラシは、一人ぼっちではさみしくて生きていけません。一緒に生きていく仲間を求めるのです。何にもない時には、その仲間と仲良くしていることができます。しかし、いったん身に危険を感じてしまうと、反射的に自分を守るための針が全身にあらわれてきます。その針で仲間を傷つけ、反対に仲間の針で自らも傷つく。そんなことを繰り返してしまうのだ」と。
さて、やまあらしとは、私たちのことなのです。「あの人嫌い」と批判されたことをいつまでも根に持ち、自己防衛本能を身につけてしまうのです。実は私たちのも、目に見えない針をたくさん身につけているのです。
誰だって批判されたときは、ムカっときますが、その時に「それは真を突かれた」からなのですね。ではどうしたらいいのでしょか?ムカッとき、私にも背中から「針」が出てきたと自覚したらいいのです。頭ごなしにただバッドを振り反発するのではなく、投げかけられた言葉の球(意味)をしっかり聞き、受け止め、やるだけやってみましょう。そこからあらたな発見があるはずですよ。
そんな話しもふくめ、私なりに一人一人の悩みに応じて対話できたらと思っています。是非、お参りくださいね。

2014年6月 川村妙慶


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